■吹奏楽コラムVol.11■

さて、第11回目は作曲・編曲家としてご活躍の三浦秀秋先生へのインタビューです。 聞き手:神長)


三浦 秀秋(みうら・ひであき)
1982年生まれ。東京都在住。中学・高校と吹奏楽部でトロンボーンを吹く傍ら、作編曲に興味を持ち、次第にそちらの世界に踏み込むようになる。 高校卒業後、専門学校ミュージック&メディアアーツ尚美に入学し、作曲を川崎絵都夫、 松尾祐孝の両氏に、ポピュラー・ジャズ理論を篠崎秀樹氏に師事、2004年卒業。 現在、吹奏楽団、アンサンブルグループへのアレンジ、作曲を中心にミュージカル、 ジャズコンボ、ゲームミュージック等各種幅広く活動する一方、洗足学園音楽大学にて 新しい形態のアンサンブルの立ち上げを手伝ったりもしている。
2003年、日本現代音楽協会「コントラバス・フェスタ」に公募入選、出品。




それでは三浦先生宜しくお願い致します。
■Q 1 音楽、作曲を始められたきっかけは何ですか?
★実は私は将来プログラマーになりたかったので、中学でパソコン部があれば入る予定だったのですが
残念ながら存在しませんでした。どうしようかと思っていたところ、隣の部屋が吹奏楽部の部室だった為
吹奏楽部に入部を決心しました。 そこがとりあえず音楽と呼べるものをはじめたきっかけだと思います。

作曲をはじめたきっかけは、ちょうどその吹奏楽を始めたころパソコン通信に入れ込んでいまして、
ある音楽系の草の根ネット(個人が運営するパソコン通信の局) に自作の曲を打ち込み(シンセサイザーの自動演奏)で
作って発表したりしたのがきっかけといえばきっかけですね。
しかし本格的に作編曲を始めたのは高校に入ってから吹奏楽部のために様々なアレンジをするようになってからです。


■Q 2 お好きな作曲家、またお好きな作品は何ですか?
★吹奏楽は普段あまり聞かなくなったのですが、先ごろ職場でご一緒したアルフレッド・リードさんの作品が、
これも学生時代はあまりピンとこなかったのですが 現在見方が変わってきたのかお気に入りです。
吹奏楽分野以外ではやはりジョン・ウィリアムズが永遠のヒーローです。 本当にどの作品も、映画音楽も大好きです。
あとはこれも映画音楽家なのですがどうしてあんなにいいメロディーが書けるか分からないアラン・メンケン、
とても繊細なタッチのトーマス・ニューマン、 ダイナミックなオーケストレーションの先ごろ亡くなった
マイケル・ケイメンが好きです。 …映画音楽家ばかりになってしまいました。

■Q 3 中学・高校と吹奏楽をやられていたとのことですが、
ご自身の吹奏楽体験はどのようなものでしたか?
また当時思い出に残る作品などはございますか?
中学のころから現在までずっとトロンボーンです。
あまり派手な楽器ではないので多くのトロンボーン吹きと同様、 自分の楽器演奏以外に
興味を持つようになりました。ブラスの音に囲まれ中々いい思い出ばかり残っています。

当時、吹奏楽のオリジナル曲はあまり好きではなくNew Sounds in Brass等の
ポピュラーアレンジが大好きでしたね。 「私のお気に入り」とか、ちょっと 大人の(?)アレンジが特に好きでした。
あと、好きでなかったオリジナルの中でもヤン・ヴァンデルローストさんの作品は派手で、
吹奏楽離れしたきらびやかな感じがしたので、例外的に好きでした。 全然吹きこなせませんでしたけど…


■Q 4 これまで21世紀の吹奏楽”「響宴」の出演や、多数委嘱作品など手掛けられておりますが、
「響宴」や委嘱初演などでの演奏会におきまして、思い出やエピソード、 また 初演を聴かれる時の
作曲家としてのお気持ちなどお聞かせ下さい。  
★やはり緊張します。
委嘱をいただいた団体の方々が初めて演奏するとき、 初めて譜面を見たりさらったりするときの反応が気になります。
気に入ってくれそうかな、がっかりしていないかな、と。 これが中高生の方々だと割と素直な反応を見せてくれるのですが、
大人の方々だとなかなかそれも気を使っていらっしゃる、とか深読みしなければなりませんが。



■Q 5 さてさて三浦作品「ファンファーレIII」〜from Fantasy World 〜ですが
この作品を書かれたきっかけとご自身の持つイメージについて、
また演奏の際のアドバイスなどをお願いします。 
イメージ、きっかけなどはだいたい解説文の通 りとなります。
委嘱元の大泉高校というのは私の母校で、卒業してなお作品を委嘱してくれるというのはありがたい話だと思います。
私の頭にあるほぼ全ての吹奏楽の音の原点でもあります。

■Q 6 三浦さんは「劇・映画音楽」を専攻され映画音楽についてご専門ですが、
ぜひ三浦さんのお薦めとされる映画音楽、または映画などございましたらご紹介下さい。
映画音楽は大体上の質問で言い尽くしてしまいましたが、作品をあげるなら最近の映画で
「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」これはジョン・ウィリアムズの音楽なのですが、見事だと思います。
「ファインディング・ニモ(トーマス・ニューマン)」「陽のあたる教室(マイケル・ケ イメン)」この辺もオススメです。
あと、案外侮れないのが「火曜サスペンス劇場」、実は通っていた学校でこの音楽担当の 一人である丸谷晴彦先生の授業があり、
短い時間だったのですがサスペンス音楽の手法とか映像に本当にマッチする音楽のつけ方などじっくり教わりました。
以前は私も話の内容なども手伝ってあまり見る機会は無かったのですが、音楽に注目して 見ると案外面白いですよ。

■Q 7ご趣味は何ですか? 
今はナン(インドのパンのようなもの)をどうやったら美味しく作れるか 研究しています。
2、3ヶ月ごとにいろんな趣味にめりこんでは飽きるの繰り返しで、 ナンの前はお香、その前はPDA、といった感じです。


■Q 8 今後の活動、現在手掛けられている作品を教えて下さい。
現在というか割と今までもそうなのですが実はほとんど作曲はしておらず、 各種編曲を主にやっております。
その一つに洗足学園音楽大学の「アンサンブル・ヌーボー」という今までに無い大編成管楽器アンサンブルがありまして、
そこの常任アレンジャーをしております。これはエレクトーンと2、30人くらいの管楽器アンサンブルを組み合わせて
まったく新しいサウンドを作り出そうという試みで、今年度から始まったのですが 中々面白い音がしていますし、
可能性がまだ無限大ですのでとてもやりがいがありますよ。 12/26日、洗足学園前田ホールにて第一回定期公演が行われます。
あと、いろいろなところのコンサート・ミュージカル等編曲もやっておりますので
もしかしたらみなさんの お目にかかるかもしれません。

■様々な質問にお答え下さいましてありがとうございました!

それでは最後になりますが、このページも将来を担う、
若き小中高生のみなさんがたくさんご覧になっている事と思います。
吹奏楽に取り組む小中高生のみなさんへ三浦
先生からメッセージをお願い致します!!
★元々皆さんへアドバイスできるほど立派な小中高生活を送っていなかったので
メッセージなどお送りしていいのかどうかためらいますが・・・がんばれ! ・・・ だけでは
ちょっと寂しいのでもう一言付け加えさせていただくなら、 月並みですが音楽を楽しんでください!
そして、無理しないで。楽しんで やるのに無理は良くない。ただし、自ら望む無理は躊躇せずどんどんやってください。
これは音楽でももちろん同じで、せっかく吹奏楽という無限の音楽に取り組まれているわけですから、
そうやって色々な吹奏楽に触れてみて下さい。


★三浦先生、大変楽しいお話どうもありがとうございました!

●三浦先生のホームページもございます。 HPはこちらです。

★また今回のご意見・ご感想、
先生へのメッセージなど
ぜひお待ちしております!!
メールでこちらまでお願い致します。
             


 

 

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