八木澤教司「聖徳太子の地球儀」― 斑鳩寺に鎖された記憶(2006)
楽譜サンプル(PDF)グレード:3+  演奏時間:約6分 最低必要人数:28人 レンタル価格:30,000円(税別 )

■楽器編成
Picc./Fl.1-2/*Ob./* Bsn. / Cl.1-3/ B.Cl./ A.Sax1-2/T.Sax./B.Sax/
Tp.1-3/Hn.1-3/Trb.1-3/ Euph./Tuba/*St.Bass./
Timp
Perc.1-4
(Chimes/ Mari./Sus.Cym./B.D./Glock./Cymb./Vib./Sleighbell/Claves/Bongo(2)/Conga(2)/Tom-Tom(4)/
Cym./W.Chime/)

■今回のウインドアート出版の委嘱作品「聖徳太子の地球儀」のテーマについて教えてください。
先駆けてウインドアート出版でレンタルされる
《「ラス・ボラス・グランデス」〜 惑星を象る大石球の神秘》 (Las Bolas Grandes)に続く,
オーパーツ・シリーズ第 2弾としてこのテーマを選びました。
オーパーツとは「Out Of Place Artifacts」の 略で「場ちがいの加工品」という意味です。
その時代には歴史上ありえない(存在の説明がつかない)物のことで,
他にもコロンビアで発見された「黄金シャトル」や
「水晶のドクロ」など多々現存しています。

今回の「聖徳太子の地球儀」も有名なオーパーツの一つで,最近,メールや手紙などで
「八木澤さんには海外の遺跡をテーマにするだけでなく,
日本の遺跡や風土もテー マにして欲しい」と
多くの方々からご要望を頂いていたので,このテーマを選びまし た(世界遺産ではありませんが…)。  
兵庫県の斑鳩寺に眠るこの「聖徳太子の地球儀」については, 詳しい解説が載せているサイトが
ありましたので,こちらをご参照ください。
●「聖徳太子の地球儀」についてはhttp://www.ntv.co.jp/FERC/research/20030302/f0276.html

八木澤さんの作品は古代遺跡、世界遺産、オーパーツといった壮大かつ
神秘的なテーマが多いですが、どんなこだわりがあってこれらのシリーズを始めたのですか?
 
小学生の頃から謎めいた古代遺跡の神秘さに興味があったからです。
きっかけは小 学2年生の頃,
NHKで放映されたテレビアニメ「太陽の子エステバン」を
見たことでした。 これは実在する中南米の古代遺跡の謎を解き明かしながら,
幻の黄金都市 「エルドラード」を目指す冒険ストーリーで,実際の歴史に名を残した人物も
登場させた充実した内容でした。
もちろん「マチュピチュ」「ナスカの地上絵」もストーリー に登場します。
年々,謎や未知なる領域が解明されていく,科学技術の進んだ現代ですが,
吹奏楽 ファンの皆様にはぜひ夢とロマンを持って音楽を楽しんでもらいたい,
中学・高校生 には古代の人々のエネルギー, 未知なる自然や謎に興味を持って頂きたいという
願いを込めて書いています。 世界遺産・古代遺跡はまだまだあるので,
私も幻の黄金都市「エルドラード」に向 けて書き続けていきたいと思っています。
●「太陽の子エステバン」については http://www.geocities.jp/omoide_box/index.htm


今回は人数や難易度、時間に制約がありましたが それをどのように作品に反映させたのか
意図を教えてください。 又、この曲をどのようなバンドに演奏して頂きたいですか?

代表の神長さんに「2006年のコンクールに最適な曲を!」と,強くお願いされて いたので,
ウインドアートのホームページに記載されている 下記のような規定を守りながら作曲しました。
(1) 小編成(少人数)で演奏できる作品
(2) コンクールや演奏会でインパクトのある作品
(3) 生徒たちにとって無理のない音域や技量の作品
(4) 半年かけて練習をしても飽きることのないテーマ性のある作品  

しかしながら,この「2006年のコンクールに最適な曲を!」という言葉を誤解 されたくはありません。
「最適な曲=勝てる曲」という意味ではありません。もちろんコンクールや演奏会で演奏した場合に,
見栄えするように効果的な語法を心掛けていますが,これはコンクールに勝つための構成ではなく ,
聴衆の心に響き,印象に残るための語法です。
もちろん金賞を目指すこと,上位大会を目指すことは団結力も高まり,音楽の向上に繋がるので
良い考えだと思います。
ですから,これだけに止まらず「聴衆の心に響く演奏を目標」としているバンドにぜひ演奏して頂きたいです。



年末年始も無くご多忙のところインタビューのご協力ありがとうございました。
今後の活動予定をお聞きするよりも、今一番何をしたいかお聞きした方が、
きっとファンの皆さんは喜びますね。
まず、佐賀県の呼子でイカを食べたいですね!あとは岩手県の前沢牛を食べたいです。
2005年はこれで頑張れた感じがします。 それとラーメンも〜(笑)。

神長)要するに美味しいものが食べたいのですね(笑)。

 

八木澤 教司(やぎさわ・さとし)
1975年4月3日生まれ。千葉県在住。武蔵野音楽大学卒業。
同大学大学院音楽研究科修士課程修了後,研究員として二年間研鑽を積む。
作曲を浦田健次郎、田中均、萩原英彦の各氏に、トランペットを関根剛二氏に師事。
作品はオーケストラ、室内楽、合唱、 邦楽など幅広く手がけているが、 近年は 《吹奏楽のための音詩「輝きの海へ」》《吹奏楽のための詩曲「はてしなき大空への讃歌」》 《稜線の風―北アルプスの印象》など意欲的に吹奏楽曲を手がけている。
又、クラリネット八重奏曲《カプリッチョ》、 金管八重奏曲《イントラーダ》など アンサンブルレパートリーも毎年出版し好評を得る。
その他,各種コンクール審査員、客演指揮、演奏、音楽雑誌『The Flute』『The Clarinet』 『The SAX』[アルソ出版]での執筆や編曲など、多彩な活動を展開。
本年度は千葉県で開催された第54回全国植樹祭テーマ音楽(天皇皇后両陛下、お手植え・お手播きの音楽)の編曲も担当した。
21世紀の吹奏楽“響宴”会員。

 

 

 

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