■吹奏楽コラムVol.8■

さて、第8回目は作曲家の神長一康先生へのインタビューです。 聞き手:高橋)


 

■プロフィール
1972年東京生まれ。茨城県立取手松陽高校普通科卒業。
武蔵野音楽大学音楽学部作曲学科卒業。同大学院修了。
これまで2回の個展演奏会を開催。
2001年6月に千葉県立四街道高校吹奏楽部定期演奏会で吹奏楽曲『栄冠へ』が委嘱初演。
同校創立50周年記念式典において同曲が再演。
CD「神長一康室内楽作品集Brise Douce」(JILA−1432)がリリース。




それでは神長先生宜しくお願い致します。
■Q 1 音楽を始められたきっかけは何ですか?

最初の音楽との出会いはピアノです。その前に家に電子オルガンがあったのですが、
私はそれをわけも分からずにおもちゃのように触れていたのを親が見てピアノを
小学生の時からピアノを習わされる事となりました。
きちんと基礎的なものから
習いましたが
、弾く作品はクラシックよりポップスの方が多かったかもしれません。

■Q 2、 作曲を始められたきっかけは何ですか?
ピアノは中学でやめてしまいましたが、音楽は聴いてました。

中学の頃は映画が大好きで映画音楽ばかり聴いてそれをよくピアノで弾いてました。
クラシックではショパンが大好きでその甘い旋律にとりつかれてました。
そのような音楽を自分も書いてみたいと思ったのが
作曲に興味を持ったきっかけですが
実際、その道に進もうと思ったのは高校を卒業してからです。

■Q 3 神長先生が中・高校生時代の吹奏楽体験はどのようなものでしたか?
また当時お好きだった作品は何ですか?

中学生の時は、吹奏楽部で打楽器を担当してました。打楽器を希望していたわけでは
ないのですが、入部が少し遅れた為、空いているパートが打楽器しかありませんでした。
自分にとって未知だった打楽器ですが、演奏するにつれどんどんとその魅力にはまっていきました。

★好きな作品は、やはり当時大はやりだったスウェアリンジェン、バーンズ、などの作品です。

また入部して初めて演奏した「バンドの為の民話」も大好きでした。
あと難曲でうちの学校は演奏出来ませんでしたが「フェスティバルバリエーション」も
大好きでテープを何度も繰り返し聴いてました。

当時の課題曲も好きでした。85年の 「波の見える風景」や、
ティンパニーが炸裂する 「 オーバーチュア−5リングス」
86年の「吹奏楽の為の変容」や「テイク・オフ」ですね。
この頃の課題曲は全部好きです。


■Q 4 神長先生のお好きな作曲家、またお好きな作品は何ですか?

まず上げられるのはバッハとベートーヴェンです。
バッハに限っては好きというより自分の中では神様的存在になってます(笑
作品は上げたらきりがありませんが、オルガン作品は大好きです。

ベートーヴェンは「交響曲第9番」を聴くと今でも 涙が出て来そうなくらい
素晴らしいです。

ロマン派ではショパンの「チェロソナタ」やメンデルスゾーンの「ピアノトリオ」
その時代以降はシェーンベルクの「浄夜」、 ベルクの「ピアノソナタ」、「ヴァイオリン協奏曲」、
邦人では矢代秋雄の「交響曲」、「2本のフルートとピアノのためのソナタ」などです。

■Q 5 神長先生のCD「神長一康室内楽作品集〜Brise Douce」についてお伺いします。
このCDに収録されている作品はどのようなものでしょうか。

このCDは主に1997〜2001年に書かれた作品が収録されております。
当時は吹奏楽作品よりも室内楽作品を多く書いておりました。
特にピアノ、フルート、弦楽器が好きでそれらを含む編成を多く書いてましたので、
CDにもその作品が収録されております。
ロマン派の音楽に魅了されてましたので、叙情的な音楽が主になっております。
またこのCDリリースの為に書いた室内オーケストラ作品も収録されております。
もしご興味がございましたらぜひCDをお聴き下さいませ!

■Q 6 さて神長作品吹奏楽のための「栄冠へ」についてお伺いします。
この作品を書かれたきっかけとご自身の持つイメージについて。
また演奏の際のアドバイスなどをお願いします。     
  
★この作品は 千葉県立四街道高校吹奏楽部の委嘱作品です。
高校生が演奏するという事もあり、曲は明るく元気なマーチ風な音楽で書きました。
曲のイメージは中・高校生が 「将来の夢や希望をつかみとる、将来へ向かって邁進する
姿」をイメージしています。
とても親しみやすい旋律ですので大変多くの方々に好評を頂いております。
また少人数でも演奏は可能です。

演奏の際のアドバイスとしては、とにかく明るい気持ちで、音楽が重たくならないよう
心掛けて下さい。また中間部での叙情的な旋律もしっかり歌い上げることが大切です。

■Q 7 最近の吹奏楽について何か感じられていることはございますか?

★ここ数年、増々吹奏楽も盛んで、また邦人作品も以前より大変多く演奏され
素晴らしい事だと思います。
しかし、中・高校生のコンクールなどを聴いてますと、コンクールの加熱ぶりからか
好きで始めた音楽が嫌いにならなければ いいなあと感じる事もあります。
指導される先生方にはコンクールでの好成績を納める事も大切な目標ですが
音楽の心を生徒さん達から失わせない指導をして頂けたらと思います。


■Q 8  ご趣味は何ですか?
映画を観に行くのが好きです。
でも最近は時間がなく映画館にも行けないのでちょっと寂しいです。。。


■Q 11 今後の活動、現在手掛けられている作品、今後どのような作品を書きたいとお考えですか?     
2004
年の新作は
2月、東葛フィルハーモニーウインドオーケストラ(千葉県)
4月、千葉県立国分高等学校定期演奏会
今秋、ジャパン・チェンバー・ウインズ(大阪)
より委嘱を頂き作品を書いております。
お時間ございましたらぜひ聴きにいらして下さいませ!

■様々な質問にお答え下さいましてありがとうございました!

そ れでは最後になりますが、このページも将来を担う、
若き小中高生のみなさんがたくさんご覧になっている事と思います。
吹奏楽に取り組む小中高生のみなさんへ神長
先生からメッセージをお願い致します!!

★音楽は芸術でありスポーツではありません。コンクールで好成績を目指す事は
スポーツで好成績を目指す感覚とは違います。音楽が持つ心を忘れないで下さい。
忘れそうになった時、音楽が楽しくなくなってしまった時は、
自分が音楽を聴いて初めて感動した時の事を思い出して下さい。
そしてその時にあなたが感じた感動と同じものをお客さんに伝えて下さい。


★神長一康先生、どうもありがとうございました。

●神長先生のホームページもございます。
CDの詳細につきましてもこちらをご覧下さい。
神長
先生のHPはこちらです。

★また今回のご意見・ご感想、神長
先生へのメッセージなど
ぜひお待ちしております!!
メールでこちらまでお願い致します。
             


 

 

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