■吹奏楽コラムVol.12■

さて、第12回目は作曲家としてご活躍の清水大輔先生へのインタビューです。 聞き手:神長)


清水 大輔(しみず・だいすけ)
1980年生まれ。16才から独学で作曲を始め、2002年に昭和音楽大学短期大学部を卒業。作曲を藤原嘉文氏に師事。
3年続けてサクソフォーン奏者の福本信太郎氏のために曲を書き下ろし、昭和音楽大学ウィンドオーケストラには5年続けて書き下ろしている。委嘱も数多く手掛け、航空自衛隊中部音楽隊、 神奈川県立大原高等学校、神奈川県立大磯高等学校、神奈川県立有馬高等学校、大磯ウィンドアンサンブル、栄区民吹奏楽団などがある。
2004年の5月に は川口市・アンサンブルリベルテ吹奏楽団『第13回ブラスの響き』おいて自作品が発表され好評を得る。また出版もいくつかあり、バンドパワーをはじめ、 ビムス・エディション、ウィンド・アート、チックタックより出版されている。 そして自作品のみで行われる個展演奏会も今までに4回行い、各地で好評を得ている。




それでは清水先生宜しくお願い致します。
■Q 1 音楽、作曲を始められたきっかけは何ですか?
私の音楽との出会いは中学時代、吹奏楽部に入部したのがきっかけだと思います。
特に吹奏楽部の顧問の先生には 強い影響を受けました。そして父親がいつも聴かせてくれた
The BEATLESの音楽も私にかなりの影響をもたらしました。

作曲を始めようと思ったのは高校に入ってからですね。映画音楽の分野に興味を持ち出してから
和声学などの本を読み、自分なりに勉強をしだしたのが始まりです。
大学はピアノ科で入ったんですが作曲家の先生にしつこく(笑)色々聞いたり教わったのがとても思い出深いですね。

■Q 2 お好きな作曲家、またお好きな作品は何ですか?
★私は中学、高校とテューバをやっておりました。高校時代は学生指揮をやって
自分の曲(今見るとひどいスコアですが。笑)を 演奏してもらったりしてまし た。
当時好きだった作品は真島俊夫氏の『五月の風』ですね。とてもおしゃれな和声を使っていてCDで何百回と聴きました。
思い出に残る作品は私が高校3 年生のコンクールの時に演奏した作品ですね。
課題曲の福島弘和氏の『稲穂の波』とチャンス氏の『朝鮮民謡の主題による変奏曲』ですね。
特に課題曲は大好きでした 。最近は福島弘和氏と親しくさせて頂いているので、
当時から考えたら信じられない事ですよね。

■Q 3 現在お好きな作曲家、またお好きな作品は何ですか?
好きな作曲家を上げ出したらキリがないんですが・・・特に好きなのはジョン・ウィリアムズ、コープランド、
ストラヴィンスキー、バルトーク、ヴァレーズ、ラヴェル、でしょうか。

■Q 4 さて清水作品「N.Y.2001/09/11」、サクソフォーン協奏曲「Infinite Power」についてお伺い致します。
これらの作品を書かれたきっかけとご自身の持つイメージはどのようなものでしょうか。
また演奏の際のアドバイスなどをお願いします。
『N.Y.2001/09/11』は私の個展吹奏楽演奏会の為に書き下ろした作品なんですが、
当初何を題材にして作品を書く か悩んでいたんですが、書き出そうと思った時期が丁度
アメリカで起きた同時多発テロから1年経った時だったんです。
この恐ろしい出来事を自分の心の中に留めておきたいと思いこの作品を書こうと思いました。
内容については解説文をお読み頂けたらと思っております。

サクソフォーン協奏曲『Infinite Power』は2001年に昭和音楽大学ウィンドオーケストラの
委嘱により書いた作品ですが、きっかけとなったのは2000年にサクソフォーン奏者 の
福本信太郎氏の為に『Fate』という室内楽を書いた時、このような素晴らしい音色、
音楽を奏でる奏者の為に協奏曲を書いてみたい!っと思ったのが きっかけです。
しかし初めての協奏曲だったために書き上がるまで1年近くかかってしまいました。
私自身ここまで時間がかかった作品は最初で最後ですね。(笑)
書いてい る時は本当に気が遠くなるような日々でした。 内容については解説文をお読み下さい。

■Q 5 清水先生の作品には調性的な音楽、また前衛的な作品も見られます。
作曲をされる時は、書かれる前にまず作品のイメージなど様々な事をお考えになられるかと思いますが、
清水先生はどのように作曲をされ一つの作品を創り上げていかれるのでしょうか。
私が作品を書く時には調性的に、前衛的にとかは考えずに書いています。
その時に浮かんだイメージや構成などに合う音楽を使うようにしています。
私は日々 の日常生活で旋律が急に思い付くとかは絶対に無いんです。
ピアノの前に座り五線紙を置き、作曲をしようと思わないと構成や旋律などが思い付かないの で、、、
いつも作品を作るときは部屋に閉じこもりっきりになります。

■Q 6 清水先生は作曲活動と同時にまた吹奏楽指導にも多く携わっておりますが、
指揮を振られる際、音楽づくりには常にどのようなことを心掛けておりますでしょうか。
私が指導していた時にいつも心がけていたのは一つの音楽を作り上げていく過程でどこが頂点で
何を伝えたいのかを明確にする事です。そうする事により音楽 がとても整理されるのでさらに
きめ細かい音楽表現を追求する事が出来ると私は思っております。

■Q 7 ご趣味は何ですか? 
趣味は・・・お酒でしょうか。(笑)最近はおいしい焼酎を飲むのがとても幸せな時ですね。
他には映画鑑賞などです。

■Q 8 今後の活動、現在手掛けられている作品を教えて下さい。
今の時点で予定されているのは下記の通 りです。
●2004年
12/3『船木喜行クラリネットリサイタル』において無伴奏曲『多重人格回路』の初演
12/16『昭和音楽大学ウィンドオーケストラ定期演奏会』において『原石の未来』の初演

2005年
1/29『栄区民吹奏楽団定期演奏会』において『スピリットオブセントルイス』の初演
3/11『航空自衛隊中部音楽隊定期演奏会』にて新作2作の初演
3/29『神奈川県立大原高校定期演奏会』にて新作の初演
4/3『神奈川県立岡津高校定期演奏会』にて新作の初演

その後の予定では航空自衛隊中部音楽隊の委嘱作品が初演の予定です。

■様々な質問にお答え下さいましてありがとうございました!

それでは最後になりますが、このページも将来を担う、
若き小中高生のみなさんがたくさんご覧になっている事と思います。
吹奏楽に取り組む小中高生のみなさんへ清水
先生からメッセージをお願い致します!!
★私も偉そうな事が言える身分ではないんですが・・・(笑)私自身の中高の経験で言いますと自分が好きだとか
やってみたいと思っている事はとことん突き詰めてやって頂けたらと思っています。
何かに没頭するというのは 私の中ではとても大事な事だとおもっていますので。
ですので今吹奏楽をやっている方々には とことんつきつめて 吹奏楽の魅力を最大限に楽しんでもらいたいですね!
お互い楽しみましょう!!


★清水先生、大変楽しいお話どうもありがとうございました!

●清水先生のホームページもございます。 HPはこちらです。

★また今回のご意見・ご感想、
先生へのメッセージなど
ぜひお待ちしております!!
メールでこちらまでお願い致します。
             


 

 

このホームページに掲載されている音源・写真・文章の無断転用・複製などは堅くお断りします
2003 WIND ART PUBLISHING (JAPAN)All Rights reserved.